「お子様の就学相談を受けられてみては…?」と、いきなり保育園や幼稚園の先生から提案を受けてしまい、混乱したり戸惑ったりされていませんか?
聞き慣れない『就学相談』という言葉にも困惑するのに、突然「相談を受けて下さい」と言われても何を相談するのか、その場で聞くことも急には思いつかないですよね。
また「うちの子は対象になるような子なの⁉」と衝撃を受けてしまい、聞くことを考えるどころかショックで何も考えられない…ということもあるでしょう。
この記事では、「お子様が就学相談を受ける必要がある」と突然言われて戸惑われているあなたの負担を、少しでも軽くできるような様々な情報についてご紹介していきます。
就学相談の場で聞くことやその流れ、最終的に決定することなど、事前に知っておくと便利な情報が満載ですよ!!
お子様の学校選びも悩ましいことですが、お子様自身の学校生活についても不安は尽きないですよね。
そんなあなたにはこの一冊!!この本には、様々な「困りごと」を持つお子様それぞれのタイプ別に、遊びを通して「困りごと」に対処する力を養う方法が掲載されています。
これから小学校で頑張るお子様の「困りごと」を少しでも減らして、笑顔いっぱいの学校生活を送らせてあげたいですよね。
就学相談の場で聞くことはコレ!!質問例を一挙紹介!!
そもそも就学相談ってどんなものなのかよくわからないから、その場で聞くこともイマイチ思い浮かばないんだけど…。
就学相談とは、成長や発達・学習面などに不安がある子どもや、行動や様子などに心配事のある子どもの小・中学校への進学について話し合い、考えていく場の事です。
子どもの障がいの種類や程度・発達の状態などを把握した上で、どのような教育環境があなたのお子様に望ましくふさわしいのかについて、担当の相談員と話し合いを進めます。
ですが、いきなり「就学相談を受けてください」と言われても「急にそんなことを言われても…何をどう相談したらいいの…??」ってなりますよね。
保育園の先生から「お子さんの就学相談を受けてみては?」って言われちゃって…。娘に発達の遅れがあるってこと…?ショックすぎる…。
また、何の心の準備もない状態で「お子様の進学のために就学相談が必要です」と唐突に言われた場合、その事実を受け入れるだけでも精一杯で…ということもあるでしょう。
そんな時は、なおさら「聞くこと」を考えるまでの余裕はないですよね。
そこで、就学相談の場でよく質問されることを以下にまとめてみました。
「聞くことが思い浮かばない…」と思うあなた、まずはこちらを参考にしてみてくださいね。
もちろん、こちらにあげた質問以外にも他に不安なことや思いついたことがあれば遠慮なく相談の場で質問していただいて大丈夫ですよ。
子どもが進学する学校を検討する時の質問例
手始めとして、お子様をどこの学校や学級に通わせるべきなのかということについて相談しますよね。
そこでまずは、学校についての相談の時に聞いておくと良い質問をいくつか挙げてみましょう。
- 住んでいる校区の学校の通常学級に通うことができるか
- 通常学級以外への進学にはどのようなものがあるのか、どこへ通うのが良いのか
(こちらについては、後ほど解説いたしますね) - 校区の学校以外に通うことになった場合、どのように通うのか(通学の手段、親の付き添いの要・不要など)
- 入学前に学校の見学をさせてもらうことができるのか など
お子様が長い時間を過ごすことになる場所なので、少しでも疑問に感じることがあったら、どんな些細なことでも聞いてみましょう。
学校での授業や学力など学習面についての質問例
お住いの校区の学校に通うことを希望される場合に、通常学級を選ぶか支援学級を選ぶか迷った時に聞いておくと良い質問の例です。
- どのくらいの学力があれば通常学級でも大丈夫なのか
- 支援学級に通うことになった場合でも、通常学級での授業に参加できるのか
- 入学までにできておいた方が良いことや練習しておいた方が良いこと など
小学校入学前の子どもの知識や学力というものは、お子様それぞれの興味や個性、保育園や幼稚園の方針などによってバラつきが出ますよね。
私が質問した時、答えてくださった方は「自分の名前が書くことができていれば大丈夫ですよ!!」と教えてくださいました。
息子の場合、保育園でひらがなの読み書きはできるようになっていたものの、カタカナはどうにも苦手でしたので、とてもほっとしたのを覚えています。
学習面以外での学校生活についての質問例
学校では授業などの学習時間以外にも、休み時間や給食の時間・その他様々な行事や現場などを経験しますよね。
そんな学校生活全体についての疑問や心配事なども、気になることは聞いておくと良いと思います。
- 子供の現在の状況から判断して、6年間通常学級で過ごすことができそうか(サポート込みでも)
- 通常学級と支援学級との間で、授業以外の交流がどのくらいあるのか(給食、休み時間、遠足・修学旅行・社会科見学など)
- 仮にいじめやケンカなどのトラブルがあった場合は、どのような対処(事案解決の手順・保護者への連絡・関係者同士の話し合いなど)を行うのか など
私の場合、特に最後の質問について詳しくお聞きしました。
小学校入学前の息子は、ケンカなどで気持ちが高ぶってしまうと上手に言葉で気持ちを伝えることができなくなることが多く、お友達へ手を出してしまうことが心配されました。
また、言葉に詰まってしまう状態をお友達にからかわれたりして、さらに逆上してしまうことも心配事の一つでした。
その一方で、そうしたお友達とのトラブルを通して、上手に気持ちを切り替えたり落ち着けたりする方法も子供なりに身に着けてほしいという気持ちもありました。
学校へ通う目的の一つとして、学校に集まる生徒や教員・保護者や地域の人々などとの交流を通して様々な経験を積み、精神的にも成長することが挙げられますよね。
子ども自身の力で(時には先生やお友達の力を借りつつも)どこまでやれそうなのかを判断するためにも、授業以外の学校生活について気になる部分は質問しておくと良いでしょう。
子供に対するサポート体制の有無についての質問例
学校生活を送るにあたり、授業や行事等でお子様のそばについてサポートを行ってくれる先生や職員についての質問の例です。
- 授業や学校生活をサポートしてくれる先生や職員は何人いるのか
- 子供一人につき一人の先生や職員が常に付いてくれるのか
- どこまでのサポートをしてくれるのか(学習面や学校生活面などにおいて) など
「支援員」と呼ばれる子どものサポートを専門に担当する職員は、全国で導入が進んではいるものの、その状況(人数や学校での配置など)は自治体によって様々です。
お子様が通う予定の学校ではどの程度の支援を受けることが可能なのか、しっかりと確認しておきましょう。
支援員については、後の項でさらに詳しくご説明いたしますね。
就学相談は「子どもの未来」を考える機会と捉える!!
冒頭でも少し触れましたが、「自分の子どもに障がいがある(かもしれない)」というのは、向き合うにはとてもつらい事実ですよね。
かつての私も、「何かの間違いであってくれれば…」という気持ちで就学相談の場に行ったのを記憶しています。
ですが、話し合いを重ねるうちに「親として息子が不自由なく勉強できる環境を用意することが、私にできることなんだ」と考えるようになりました。
(子どもが学校に行っている間の事については、親にできることや助けてあげられることはかなり限られてきますもんね)
その結果、「なるべく息子が笑顔で過ごせる時間がたくさんになるような学校を選んであげなければ…」と就学相談に前向きな気持ちで向き合うようになったのです。
つまり就学相談は、「子どもの就学」を通して「子どものより良い未来」について保護者が真剣に考えるための機会ともいえます。
そしてここで重要なのは、「子どもの未来を考え、最後に決断をするのはあなた自身である」ということです。
相談を担当する職員はそのために必要なアドバイスをしてくれますし、持てる知識であなたの疑問や質問に対する答え、不安を取り除くための精いっぱいのサポートはしてくれます。
一方で、あなた自身のはっきりとした希望やお子様の未来像を職員にきちんと伝えないと、職員の方も「あなたにとって最適な情報」の判断や提供ができないのです。
「なんだかよくわかっていないんだけど、うちの子の将来なんとかして!!」と丸投げして答えを準備してもらう場ではなく、様々な情報をもとに検討・決断する場が就学相談です。
ですから、お子様の未来について、就学相談の前にある程度の希望や方向性をご家族で話し合っておく方が良いといえます。
もちろん、我が子の心身に障がいがあるかも…という事実を受け止めるだけでもつらくて…、という精神状態で相談の場に向かうこともあるでしょう。
そんな時って、何が分からないのか、何を確認しておくべきなのか、など相談の場で聞くことを冷静に頭の中で整理するのも難しいですよね。
お子様を大切に思うからこそ、それは当たり前のことですから大丈夫です。
そのような場合は、「混乱していて何を考えたらいいのかわかりません」と素直に伝えても良いのです。
とりあえず「どんなことを知っておくべきですか」「踏むべき手順や、準備しておくことなどは何があるでしょうか」など、直近で必要なことだけを確認するのでも良いと思います。
初めからすべてを理解したり決めたりする必要なんてないのです。
ゆっくりと「お子様の将来のために必要なこと」と向き合っていきましょう。
「うちの子は○○が苦手で…小学校でトラブルがあったらどうしよう…」という、お子様の近い未来についての心配事、とても不安ですよね。
この本には、そんな様々な「困りごと」を持つお子様それぞれのタイプ別に、遊びを通して「困りごと」に対処する力を養う方法が掲載されています。
これから先起こりうるトラブルに対しての、あなたご自身の心の準備にもなりますよ。入学前のモヤモヤ不安な時期に一度読まれてみてはいかがでしょうか。
就学相談で決める進学先にはどんなものがある??
就学相談が子供の将来を考える場であることは分かったけれど、具体的な進学先ってどこになるの??
先程の項で触れましたが、就学相談は子どもの現状をきちんと把握して、子どもにとって最適な教育環境や学習環境について話し合い答えを見つけていく場です。
お子様自身や保護者の希望をふまえ、教育委員会、医療関係者、心理関係者、保育園や幼稚園の職員などの意見を聞き、お子様の可能性を伸ばせるような環境を検討します。
就学相談を通して検討する教育環境の選択肢として、以下の4つの進学先が存在します。
それぞれの進学先の特徴を比較して、あなたのお子様に合う環境についてご検討くださいね。
進学先その1:通級(通級指導教室)の特徴とは
通級(または通級指導教室)とは、お子様が通常の学級に在籍しながらも、その子の特性に合った個別の指導を受けられる学級です。
通級へ通うお子様は、学校生活の多くの時間を通常学級で過ごします。
そして、一部の科目や学校生活の中で起こっている個々の困難に応じた個別の支援を通級にて受けることができます。
支援対象となるお子様の障がいの程度は、『通常学級での学習におおむね参加でき、部分的に特別な指導が必要とする程度』とされています。
通常学級に在籍しつつ、より手厚い教育支援を受けることができるので、以下のようなお子様に対して有効な選択肢であるといえます。
- 障がいや困難の程度が比較的軽い場合
- 読み書きの障がいや、計算能力などの算数技能の障がい(学習障害[LD])を持つ場合
- その他、特定の事がらだけに困難がある場合 など
ただし、自治体によっては通級による指導が利用できる期間を「原則として1年間」としているところもあるようです。
そのため、進級時や進学時に翌年の継続利用を希望したとしても、確実に利用できるとは限らないので注意が必要です。
また、通級自体を導入していない学校もあります。
利用を検討される場合は、就学相談の時にお住まいの地域の学校に「通級指導教室が設置されているかどうか」の確認をされたほうが良いでしょう。
進学先その2:特別支援学級の特徴とは
特別支援学級とは、障がいのある子ども一人ひとりに応じた教育を行うため、小・中学校に設置されている少人数の学級の事を指します。
どんな子どもが特別支援学級に入ることができるのかな?
対象となるのは、以下の7種の障害を持つ子どもです。
- 知的障害…知的機能において同年齢の人と比べて遅れや成長の停滞などが見られる状態
- 肢体(したい)不自由…生活や運動において動作や姿勢の維持に様々な困難がある状態
- 病弱・身体虚弱(きょじゃく)…病気のために心身が弱っていたり、病気にかかりやすかったり、病気じゃなくとも心身が不調な状態が続いている状態
- 弱視…成長の過程で視力が正常に発達せず、メガネやコンタクトレンズでの矯正を行っても物が見えにくい状態
- 難聴…生まれつきや病気・事故などにより、音が聞こえにくかったり聞こえない状態
- 言語障害…言語の理解と表現が困難な状態
- 自閉症・情緒(じょうちょ)障害…何らかの原因により感情面に問題が生じて、社会生活への適応が困難な状態
それぞれの障がいの種別に応じた学級がありますが、全ての学校でこの7種に応じた学級が開設されているわけではありません。
もしもお住まいの地域の学校に希望される特別支援学級が開設されていない場合は、他の3つの選択肢(通級・特別支援学校・通常学級)の中から就学先を検討することになります。
特別支援学級の上限定員は8人までと定められていて、子ども一人ひとりに合わせた教育が受けられるようになっています。
具体的には、各教科の目標や内容をお子様の課題や特性・学力などに適したものに変更(または調整)したり、個別の学習支援や生活支援を受けることができます。
また、一部の授業や給食や昼休みの時間・学校行事などに通常学級の子どもたちと一緒に参加するなどの交流の機会も設けられます。
進学先その3:特別支援学校の特徴とは
特別支援学校とは心身に障がいのある子どもや大きな病気を患う子どもが通う学校の事で、対象となる学年は幼稚部~高等部まで存在します。
対象となる子どもの障がいには「視覚障害」「聴覚障害」「知的障害」「肢体不自由」「病弱」があり、それぞれに基準があります。
特別支援学級と特別支援学校のどちらを選ぶのかについては、はっきりとした線引きはされてはいません。
おおよその目安としては「排泄や食事、着替え、意思伝達などの日常生活に欠かせない行動を、子どもが一人、または補助を伴って行えるかどうか」という点です。
- 上記の事はこなせるけれども、学力の遅れなどが不安な子ども → 特別支援学級
- 上記の事が困難な子ども → 特別支援学校
調査の中ではこのようなケースが多いように思われました。
特別支援学校の教員は、教員免許とは別に「特別支援学校教員免許」を持っています。
障がいについての専門的な知識を持つ教員のもとで教育を受けることができる環境は、保護者にとって、とても心強いですよね。
また、バスでの送り迎えがあったり、施設がバリアフリー化されているなど、障がいをもつ子どもたちに添うような学習の環境が整っているのも大きなメリットです。
看護師や専門の療法士が常駐している学校もあるので、個々の障がいの程度や種類に応じた教育や訓練を受けられるという環境もありがたいですよね。
ただ、1クラスの児童数は6名程度でクラス替えなどもありません。
通常学校に通う子どもたちとの関わりが、特別支援学級に比べると大幅に少なくなってしまう点がデメリットに感じることもあるでしょう。
≪最新の先端教育が受けられる国立の特別支援学校≫
特別支援学校の中には、実は国立の学校もあります。
その地域の国立大学付属の特別支援学校で、子どもの教育機関ではあるのですが、研究機関という側面も持ちます。
入学には面接があり、入学できる定員も限られているので希望すれば必ず入学…とはいきませんが、研究成果が反映された最先端の教育が受けられるという大きなメリットがあります。
もしお住まいの地域に国立の特別支援学校があり、興味・関心があったら、こちらについても就学相談の場で確認してみてくださいね。
進学先その4:通常学級の特徴とは
通常学級とは、上記の3つの学級、学校以外の学級のことを指します。
通常学級では、通級、支援学級より1クラスの人数が多く、さまざまな子どもと触れ合うことができ、授業も行事も他の子どもたちと変わりなく参加することができます。
同世代のお友達との関わりをたくさんお子様に経験させてあげたい、というお気持ちがあるのであれば、通常学級への進学をおすすめします。
しかし、一方で通級や支援学級のような手厚い教育サポートが受けられないという側面もあります。
このような場合に多くの学校で導入が進んでいるのが「支援員」と「特別支援教育支援員」の配置です。
支援員がいる学校で通常学級に通うという選択肢も
支援員とは、学校に通う子どもたちの授業や学校生活の補助を行ったり、教員をサポートしたりするスタッフの事を指し、学校の現場では欠かせない存在になりつつあります。
(その中でも、障がいのある子ども達の介助や支援を行う支援員のことを「特別支援教育支援員」と呼びますが、この記事ではどちらも「支援員」と記述させていただきますね)
うちの子は大きな障がいを抱えているわけじゃなくて、支援学級に通う程でもないと思うんだけど、通常学級で一人で授業を受けられるかどうかは不安で…。こんな場合はどこに通わせたらいいの?
実は私の息子も、発達障害の診断は受けたものの学力には問題なしとの判定が検査ではっきりとわかっていた為に、進学先に悩んでいたのです。
授業は大丈夫かもしれないけれど、お友達とのコミュニケーションや集団行動にうまくなじめないかもしれない…そんな気持ちから通常学級に通うことに不安を抱えていました。
こんなふうに、お子様についての困り事や悩み事の程度によっては、支援学級に通うべきかどうかの判断が難しい場合もありますよね。
このような子ども達の中には、誰かの助けさえあれば通常学級でクラスメイトと一緒に生活できるという子どももたくさんいます。
そこでその助けとなってくれるのが、先に挙げた「支援員」と「特別支援教育支援員」なのです。
支援員の役割には、主に以下の様なものがあります。
個人的なサポート | ・持病のある子どもの介助(着替えやトイレ、授業サポートなど) ・精神的に不安定な子どもに寄り添ったり、危険がないように見守る ・授業中に席に座っていられない子どもや、教室を飛び出してしまう子どもに付き添う ・勉強が苦手で通常学級での授業についていくことが困難な子どものサポート ・個人的に悩みや不安などを抱える子どものサポート など |
クラスのサポート | ・授業にまだ不慣れな低学年の学級の補助 ・支援学級の補助 ・荒れ気味なクラスのサポート ・その他クラスの見守り など |
障がいを持つ子どもに寄り添うのはもちろん、助けを必要としているその他の生徒やクラスの見守り・サポートまでも行なっているのです。
- お子様がどの程度通常学級になじめるか、授業についていけるかなどが不明な場合
- 通級が設置されていない学校に通う場合
- 特別支援学級に入れるべきかどうかの判断が付かない場合
上記のような場合は、支援員のサポートを受けながらまずは通常学級に通って様子を確認してみるというのも一つの選択肢です。
決めた進学先が合わない?そんな時は転学を検討
たくさんの相談や検討を経て、やっと決まったお子様の就学先。
でも、実際に通ってみたら「やっぱり自分の子どもには合わなかったのかも…」と後から思うことだってありますよね。
初めは「できるかどうか不安だな…」と思っていたことが、子どもの成長やお友達との関わりを通して案外すんなりとクリアできていたり。
逆に「多分大丈夫!!」と思っていたことが、子どもにとって実は負担をかけたり困り事になっていたり…。
就学相談で決めた学級(学校)に通ってみたけれど、なんだかうちの子には合わない気がするんだけど…。このまま最初に決めたところに6年間通わないといけないのかな…。
学校に通って実際の経験や体験を経てみることで、後々に気が付くことやわかってくることは案外多いものです。
そうなると気になってくるのが「今通っている学級(学校)はうちの子どもに本当にあっているのかな…」という点ですよね。
このような場合、担任やそのほかの教員・支援員との話し合いによって、次の学年から学級や学校を替える「転学」を検討するという方法もあります。
転学とは、入学時に決めた学級や学校からほかの学級や学校へ就学先を変更することです。
最近では子どもの発達の程度や周りの環境への適応状況などを考慮しながら、柔軟に転学を検討できるようになりつつあります。
実は私の息子が通う小学校でも、1年生の間は通常学級に通い、2年生から特別支援学級に籍を移された生徒さんがいらっしゃいます。
また卒業生の中には、特別支援学級に通っていたお子様が通常学級に転籍して支援員のサポートを受けながら授業を受けていたお子様もいらっしゃったと聞きました。
生徒さんや親御さんがよりお子様にとって望ましい環境を模索し続けることができるので、お子様に一層寄り添った教育を受けさせてあげることができますよね。
また、親御さんも「あの時、あっちの選択肢を選んでいたら子供にとって良かったのに…」という後悔を持ち続ける必要もなくなります。
一方で、このような取り組みはまだ始まったばかりで、地域によっては転学の手続きが難しいところもあります。
お住まいの地域ではどのような制度になっているのか、就学相談の際にぜひご確認してみてくださいね。
「親として障がいのある我が子にどう接したらいいの…?」「悩みや不安で心がモヤモヤしたまま…」そんな時には、ちょっと息抜きがてらにこちらの本を読んでみませんか?
この本は、自閉症スペクトラムの小1男子のママによる「親子が笑顔でいられる習慣や暮らしの工夫を伝えるエッセイ」です。
あなたとあなたのお子様の笑顔の時間が少しでも増えるような、そんな方法や考え方・物事のとらえ方を見つけられるかもしれませんよ。
就学相談の流れとは??進学先決定までを徹底解説!!
ここまでで、就学相談の場で聞いておきたい質問や進学先の選択肢などについてご紹介いたしました。
最後のこちらの項では、実際に小学校入学に向けての就学相談を受けたいと思われた場合に、その申し込みや相談の流れについてご説明していきましょう。
※就学相談は、市区町村によってその方法や流れが異なる場合もあります。より詳しくお知りになりたい場合は、お住いの市区町村の教育委員会へお問い合わせくださいね。
申し込み~初回の面談が決まるまでの流れ
就学相談は、基本的に保護者の方が自ら申し込みを行う必要があります。
受付時期はおおよそ年長(5歳児クラス)になる年の4~5月から11月までが多いようです。
※市区町村によっては、年中(4歳児クラス)の3月に受付が開始されるという地域もあるそうですよ
受付の方法は大きく分けると次の3パターンになります。
- 相談を受け付けている窓口に、保護者が申し込みの電話をかける
- 相談を受け付けている窓口まで行って、保護者が申込書を提出する
- 通園中の幼稚園や保育園を通じて申し込みを行う
申し込みの際にお子様の状況について、簡単な質問を受けることもあります。例を挙げると、
- 現在の通園先
- 障碍者手帳や療育手帳を持っているか(何らかの診断がついているか)
- 通院している病院がある場合、病院名と先生の名前
- 発達検査をしたことがあるかどうか
- 子どもの発達状況(コミュニケーションの力や日常生活面での自立の程度など)
- 現在住んでいる場所の学区、希望する学校または学級 など
※上記のような項目について、面談当日に聞かれる場合や面談の日までに書面に記入しておく場合もあります。
この後面談の日時を決めます。(後日、面談の担当者から面談日の連絡があることもあります)
面談の時に必要なものや準備しておくもの、面談当日の流れ(市区町村によって違うので、こちらも確認が必要です)などを確認し、後は当日に備えましょう。
初回の面談~学校・施設見学までの流れ
就学相談の面談は、保護者と子どもが一緒に受けます。
面談では初めの項でご紹介した「聞いておいた方が良いこと」以外にも、思いついたことや心配なことがあれば、どんどん質問しておきましょう。
また、面談の場には専門の医師(または心理士など)が同席して、発達検査や知能検査を行います。(お子様に診断がついてない場合、医師による診察が行われる場合もあり)
面談や検査の時には、保護者と子どもが別室になることもあります。
うちの子は初めての場所が極端に苦手だから、そんなところで私と離れたらパニックを起こしてしまうかもしれないんだけど…。
もしもお子様があなたと離れることでパニックになったり、初めての環境に戸惑って不安定になってしまうのを心配される場合は、その旨もあらかじめ伝えておくと良いですよ。
面談担当者といざという時の対処方法も共有しておくと、さらに安心ですよね。
面談が終わったら、次は就学を希望する学校の見学や体験です。
各学校の学校行事(公開日や参観日)などを確認して事前に学校へ申し込みを行う方法と、教育委員会を通して申し込む方法が一般的です。
地域や学校によっては、「放課後の職員の手が空いている時でしたらいつでも見学を受け付けますよ」とおっしゃって下さるところもあります。
我が家の息子が通う学校では「行事や業務が立て込んでいない日の放課後は随時見学OKです(要予約)」でしたので、複数回に分けて校内を回らせていただきました。
初めての場所には人一倍緊張してしまうタイプの子どもなので、入学前に学校の設備を何度も確認して中の様子を知ることができたことは本当にありがたかったです。
入学式の当日も、安心した顔で教室に入っていくことができて、学校見学をさせていただいて本当に良かったと実感しました。
さて、見学や体験の時には施設内を見て回るだけではなく、その学校で実際に行われている支援や工夫の内容などについてもどんどん聞いてみましょう。
あなたのお子様がその学校でどのように過ごすのか、どんなふうに通うのか、どんな支援が受けられるのかをより具体的にイメージしやすくなると思いますよ。
学校見学と前後して、就学先の検討を行う就学支援委員会の担当者が、お子様の幼稚園や保育園での様子を確認しに行きます。
集団生活の中で、お子様が「どのように行動するのか」「どのような感情の動きを見せるのか」などについて観察し、就学先決定の一つの判断材料とするのです。
就学支援委員会での審議~就学通知までの流れ
面談時の様子や医師の診断、これまでの成育歴、幼稚園や保育園での行動観察などを経て得た情報をもとに、就学支援委員会でお子様の就学先について審議されます。
この審議の結果を踏まえて、お子様の就学先について再び面談が行われます。
面談の時には、ただ審議の結果が伝えられて就学先が決まるわけではなく、あなたやお子様の希望についてもきちんと確認されますのでご安心くださいね。
そして、1月の末ごろにはお子様が就学する予定の学校が決まり、あなたのもとへ通知が届きます。
これは最終の決定ではないので、通知内容があなたやお子様の希望に添わない場合は、再び面談を行うこともあります。
以上のような過程を経て、お子様の就学先が決まります。
まとめ
- 就学相談とは子どもにふさわしい環境が整った進学先を検討する話し合いのこと
- 就学相談の場で聞くことがわからない場合でも、その旨を伝えて相談員のアドバイスを受け、進学先の検討を進めればOK
- 進学先には「通常学級」「通級」「特別支援学級」「特別支援学校」の4つの選択肢がある
- 4つの選択肢のそれぞれにメリットとデメリットがあり、子どもの適性や障がいに合わせた検討を行うことが大切
- 進学先に迷う場合は、支援員のサポートを受けながら通常学級に通ってみて様子をうかがう方法もアリ
- 就学相談で決まった進学先へ入学した後でも、子どもの成長に合わせて柔軟に教育環境を変えていくことができるようになってきている
- 就学相談から入学までの流れは、自治体によって異なるため確認が必要
就学相談の場で聞くことや検討すること、そしてその流れについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
お子様の将来について漠然とした不安があった状態からいざ進学先の検討が始まるとなると、気が焦ってしまい、「聞くこと」をうまくまとめることも大変ですよね。
まして「進学先の決定」というお子様の将来に大きく関わることの答えを出さなければいけないのですから、そのプレッシャーを重く受け止めてしまうこともあるでしょう。
ですが、お伝えしたように一度決定した進学先でも、お子様の成長に応じて教育の環境を変化させたり整えたりしていくことが可能になってきているのです。
この記事が、「お子様の進学先を決める」という重圧から、あなたを少しでも解放できるお手伝いになることを心より願っております。
「親として障がいのある我が子に何かしてあげられることはないかな…?」そんな風に思うことってありませんか。
この本には、様々な「困りごと」を持つお子様それぞれのタイプ別に、遊びを通して「困りごと」に対処する力を養う方法が掲載されています。
あなたの悩む時間が笑顔の時間へと変わりますように、こちらの本をぜひ読んでみてくださいね。
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