お子様の物をみるしぐさが少しおかしい…、3歳児健診で弱視の可能性があると眼科での検査をすすめられてしまった…そんな不安を抱えているあなた。
そんな時は、迷わずすぐに眼科を受診するのがおすすめです。
そうはいっても、小さなものも見えているし、指差しもするし、弱視の視力ってどれくらい?本当に弱視なの?と疑問に思いますよね。
実は子どもの弱視は、50人に1人はいると言われおり、その子どもたちのほとんどは、早期に治療を開始することで、視力の改善が期待できるのです。
この記事では弱視の視力はどれくらいなのか、また早期治療によってどれくらい改善されるのか、気になる治療法まで一気にご紹介します。
弱視の視力はどれくらいある?早期治療が重要!!
弱視とは眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正しても、視力が出ない目の状態のことを言います。
弱視は早期に治療を開始すれば視力は改善しますが、8歳以降になってしまうと治療の効果が出ずらくなり、弱視になってしまいます。
では、弱視であるということは、いつ頃の検査で判明し、治療をするとどれくらいまで改善するのか、ご紹介させていただきます。
弱視とはどれくらいの視力のことを言うの?
弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正しても、視力が1.0に満たない状態をいいます。
例えば裸眼視力が0.01であっても、眼鏡やコンタクトレンズで矯正して1.0以上の状態まで視力が出れば、弱視ではありません。
産まれて間もない赤ちゃんの視力は、0.01~0.02位しかないといわれており、この視力が8~10ヶ月になるとやっと0.1程度になります。
3歳頃までに、視力はどんどん発達して0.6から0.9程度の視力になると言われています。
しかし視力発育のピークにあたる3歳頃から8歳頃、目に斜視や強い遠視などの目のトラブルがあると、目のピントがうまく合わなくなってしまい、視力が伸びずに弱視になってしまいます。
つまり弱視とは、目の発達が止まったままになってしまっている状態なのです。
両目とも弱視になる子もいれば、片目だけ弱視になる子もいます。
「遠視や近視とは違うの?」と思われますが、遠視や近視は眼鏡やコンタクトを使うと視力が出ますが、弱視は眼鏡やコンタクトレンズを使ったとしても1.0以上の視力になりません。
では、弱視かどうかを調べるには、いつ頃検査をする必要があるのか、次でご紹介させていただきます。
弱視の早期発見には3歳児健診が重要!!
弱視は3歳児健診での眼科検査によって見つかる場合が多く、この時点で治療を開始すれば改善する確率はかなり高くなります。
治せる弱視とは、眼球から神経・視中枢に異常がみつからない場合です。
3歳児健診で弱視を発見し、治療を開始・継続できれば、小学校入学ごろまでには日常生活も、学校生活も問題なく送れる視力に改善する可能性が高いと言われています。
したがって、3歳児健診での眼科検査がとても重要になります。
3歳児健診の眼科検査は、目に斜視(しゃし)や弱視などの病気がないかを診る検査です。
実は幼児は視力が0.3程度あれば、日常生活を問題なく送れます。
そのため家族も気が付かない場合が多く、なかでも片目だけの弱視である「不同視弱視」の子どもは、日常生活には問題がなく、周りの人も気が付かない場合があります。
子どもの視力は日常ではわかりにくいので、眼科検査はお子様の目に病気がないか、健康な目であるかを見る重要な役割があります。
また幼稚園や保育園で眼科検査があった場合も、検査結果もしっかり確認してください。
早期に治療開始したらどれくらい改善するの?
うちの子に弱視という診断が!!
視力の改善ってできるのかしら?
3歳児健診やその他の眼科検査で弱視と診断された場合、すぐに治療を開始・継続することができれば、小学校入学までに多くの子が0.8以上の視力に改善されます。
視力が0.8以上あれば、学校では問題なく生活ができます。
赤ちゃんは生まれた頃はほとんど視力がなく、その後早いペースで視力が発達して、6~7歳頃に停滞します。
したがって、3歳位で弱視を発見して治療を開始することができれば、視力の成長期に治療期間を当てることができます。
視力の成長期に治療を開始できれば、視力の改善が高い確率で望めるといわれています。
治療を開始したからといっても、すぐには結果が出るものではないので、焦らずに続けることが大切です。
また、視力が成長する3歳頃までに弱視が発見できず、小学校の就学前健診で弱視が発見される場合もあります。
この場合も、個人差がありますが10歳頃までは視力が改善したというケースもあるので、あきらめずに気が付いた時点で、早急に治療を開始することが最善の方法です。
弱視の診断をうけたらすぐに治療を開始し、お子様の為にも焦らず継続して治療を続けてくださいね。
弱視の視力を見逃してしまう!?家庭での注意点は?
子どもの弱視は3歳児健診の視力検査を受けても見逃してしまうケースがあります。
それだけでなく、お子様の近くにいるあなたでさえ、気が付かないことが多いのです。
ではなぜ3歳児健診を受けても、身近にいるあなたでもお子様の弱視に気が付かないことがあるのでしょうか?
以下で、見逃してしまうケースと共に、見逃さないようにする家庭での対策をご紹介します。
家庭で弱視を見逃してしまうのはなぜ?
実は子どもの弱視を発見するのは大変難しく、子どもの様子からもわからないことがほとんどです。
乳幼児は視力が0.3あれば、日常生活を不自由なく過ごすことができるため、弱視を見逃してしまうことがあります。
片目の視力が良ければなおさらわかりにくく、いつもそばにいるあなたでさえも、お子様の弱視にほぼ気が付きません。
子どもには自覚症状がないので、例えば子どもが遠くにいる犬を見て「ワンワン!」と言ったとしても、あなたと同じように、はっきりと見えているかどうかは定かではありません。
お子様の様子に「あれ?ちょっとおかしいかな」と、気になることがあっても、様子を見てしまい、眼科へ行かなくなってしまうことがあります。
小さい子どもを大人の多い眼科に連れていくのは、確かに大変ですよね。
しかし気になる点があるのに眼科を受診しないことが、家庭での弱視の見逃しにつながってしまいます。
早くに治療開始すれば弱視は改善する可能性が高くなります。後から弱視見逃しの後悔をしないためにも、早めに眼科を受診してください。
3歳児健診でも弱視を見逃してしまうの?
3歳児健診では弱視と言われなかったのに。
弱視は3歳頃から治療を開始すれば、多くの子が改善する可能性が高く、それゆえに3歳児健診は弱視を発見する大変重要なチャンスとなります。
しかし、弱視で眼科を受診した子どものなかに、3歳児健診を受けたけれども弱視を見逃されていた、というケースがあります。
重要とされている3歳児健診でなぜ見逃されてしまうのか、まず3歳児健診での眼科健診の内容を説明します。
3歳児健診では一次検査と二次検査があり、以下のようになっています。
≪一次検査≫
- 家庭での視力検査とアンケート
≪二次検査≫
一次検査の結果に以下のような問題があった場合に眼科を紹介する。
- 一次検査である家庭での視力検査ができなかった場合
- 家庭で検査をしたときに0.5以下の視力だった
上記のように一次検査である、家庭での視力検査が基本となって二次検査が行われるので、家庭での検査がポイントとなってきます。
ですが、家庭での視力検査と問診だけでは乳幼児の視力検査では精度がひくく、弱視を見逃してしまうことにつながります。
これくらい大したことない…と気になる症状を書かずに問診を提出してしまう可能性も考えられます。
3歳児健診の二次検査に屈折検査をしていない!
以前から3歳児健診での弱視の見逃しを防ぐために、屈折検査が有効であるとされています。
一次検査である家庭での視力検査では、弱視の発見が難しく家庭の負担が大きいとされ、近年では屈折検査を導入している自治体が増えています。
屈折検査とは、専門の検査機器に目を数秒当てるだけで、弱視の原因になる遠視や乱視などの判定をする検査です。
友人の男の子のは、家庭での視力検査はうまくできなかったけど、日常生活で見え方に何の問題もなかったので、視力に関しては何も心配していなかったそうです。
でもいざ3歳検診で屈折検査をしてもらうと、片目だけ遠視がある可能性を指摘されてびっくり!!
後日病院に行って検査を行うと、片目だけ遠視からくる弱視になっているということがわかり、すぐに治療開始でしたそうです。
その男の子は治療を始めて現在3年たちますが、弱かった方の視力も改善されてきて、眼鏡をかけていれば何の問題もなく視力は両目とも1.0以上が出せるようになっているそうです。
検診で屈折検査をしていなければ、片目が弱視であるということに気が付いたのはもっと後になってからだったはず…と友人は言っていました。
友人の自治体では屈折検査が導入されていましたが、自治体によっては、残念ながらまだ屈折検査を導入できていないところもあります。
健診時に屈折検査を行っているかどうか、自治体に確認をして、行っていない場合は、少なくとも4歳までに眼科で屈折検査を受診するようにしましょう。
弱視の視力の治療とは!!手遅れにしない方法は?
子どもの弱視は家庭でも気が付くことが難しいと言われていますが、弱視の早期発見と治療で視力が改善する可能性が高いのであれば、手遅れになる前に治療を開始したいですよね。
そこで、あなたがご家庭でお子様のどのような行動に気を付ければよいのか、また家庭での一次検査はどのように行ったらいいのかご紹介します。
子どもの行動でこんな行動は早めに眼科へ!
子どもとの日常の会話から弱視を判断するのは非常に難しいため、あなたはお子様の見た目や行動で弱視を予測することが必要です。
子どもは自分の好きな物や覚えているものは、ぼんやりと見えている状態であっても、物の形から見えているものが何かを判断しています。
遠くを散歩している犬を見つけて、例えぼんやり見えている状態であっても、子どもは犬がいると見つけることができてしまいます。
では子どものどのような行動から、弱視を発見することができるのでしょうか?
もしあなたのお子様がテレビを極端に近づいて見ていたり、目を細めて見ていたりしていたら注意が必要です。
この他にもあなたがご家庭でチェックできる注意すべきポイントをあげますので、手遅れにならないようにお子様をチェックしてみてください。
≪弱視早期発見のための注意ポイント≫
- 普段から目つきがおかしい
- テレビを見るときにとても近くで見たり目を細めて見ている
- 片目を手で隠すと非常に嫌がる
- 目が揺れていて定まらない
- 物を見るとき頭を傾けたり横目で見たりする
- 斜視のような目つきに見える
- 黒目の真ん中が白くなっているように見える
上記のような様子が見られたら早期に眼科を受診して、医師に相談してみてください。
子どもの弱視は早期の治療が大事ですので、あなたのお子様で一つでも気になる点があったら、手遅れになる前にすぐに眼科を受診してくださいね。
3歳児健診の家庭での視力検査を工夫してみよう!
3歳児健診の視力検査を家庭で行うときに、子どもが嫌がってできないことが多いようです。
できるだけ上手に検査をするために、ちょっと工夫して視力検査をしてみるとうまくできるかもしれません。
重要なポイントは、子どもを楽しませて検査に夢中にさせることです。
以下がちょっとした工夫の方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
≪子どもを楽しませて検査に集中させよう≫
検査をしているときに子どもを飽きさせないようにするには、検査を楽しませるのがおすすめです。
子どもは楽しんでいるとき、とても集中しています。
送られてきたC型の穴があいてる方向を答える検査キットを、まるでおもちゃのように見せてみてください。
「〇〇ちゃん~、遊ぼう。さあ!穴が開いているのはどっちかな?」と楽しそうに演出するといいですよ。
パペットや人形・ロボットなどを使って、あなたがなりきって演出するのもいいですね。
≪ダイナミックに検査する≫
普通の視力検査では指でC型の穴が開いている方向を示すだけでいいですが、これでは単調で子どもは飽きてしまうかもしれません。
まるでリトミックや体操のように、C型の穴が開いている形を身体全体を使ってまねをしてみたり、穴が開いてる方向にジャンプをしたりするのもいいですよ。
これなら単調な検査ではなくなるので、楽しんでできるかもしれませんよね。
どちらのやり方もポイントは子どもを楽しませて、夢中にさせることです。
ちょっとあなたは体力を使うかもしれませんが、これでスムーズに視力検査ができたらうれしいですよね。
あなたのお子様の弱視の早期発見のために、ここは思い切って楽しい検査をぜひやってみてくださいね!
弱視の治療とは?どんな方法があるの?
眼科に行き検査をして弱視と診断されたら、すぐに治療を開始する必要があります。
弱視の治療方法は、大きく分けると2つになります。
- 治療用の眼鏡をかける
- アイパッチを使用する
それぞれの治療方法について、あなたとお子様が安心して治療をうけられるように、以下で詳しくご紹介します。
≪治療用の眼鏡をかけて弱視を治療する≫
眼鏡をかけてるだけで、視力が改善するの?
眼科で弱視と診断されたら、治療用の眼鏡をかけます。
今まで物を見るときに無理にピントを合わせていたのが、合わせる必要がなくはっきりと物が見える状態にすることで、視力の改善につながります。
眼鏡は眼科を受診したときに、医師から処方箋がもらえるので、もらった処方箋をもって眼鏡屋に行き治療用眼鏡を作ります。
治療中はこの眼鏡を就寝時・入浴・激しい運動時以外は、常にかけておく必要があります。
眼鏡が顔の大きさに合っていないと、眼鏡がずれてしまって治療の効果が出ないので、サイズ調整を成長に合わせて行ってください。
度数も定期的に眼科を受診して視力検査をし、そのときの視力に合ったレンズに変えます。
小さい子どもが眼鏡をかけておくのは大変かもしれませんが、かけておくことによって視力が改善されるので、根気よく続けてくださいね。
弱視の子どもを持つ友人の話だと、メガネに慣れてくると、眼鏡をかけた方がものがよく見えるので、自らメガネをかけたがるようになったそうですよ♪
≪アイパッチを使用する≫
アイパッチとは目を遮閉(しゃへい)するアイテムのことです。
アイパッチを使った治療法は左右の視力に差がある場合や、眼鏡をかけても回復しない場合に行います。
治療の方法は、視力の良いほうの目をアイパッチで隠して、視力の悪い方の目だけを使って物を見るようにし、悪い方の視力の発達を助けるようにします。
アイパッチはシールのようになっていて、直接子どもの目に貼ることもできますが、お子様によっては嫌がったり、かぶれてしまったりすることがあります。
その様なときは眼鏡のレンズにつけるタイプのアイパッチもありますので、眼鏡につけてアイパッチを使用するとよいでしょう。
それでも子どもがいやがってしまったら、アイパッチに好きなシールを貼ったり、あなたが絵を描いてあげるなどの工夫をしてみてくださいね。
まとめ
- 弱視とは眼鏡やコンタクトレンズをどれくらいつけても視力が1.0に満たない状態のこと
- 3歳頃から治療を開始できれば、小学校入学までには視力が0.8以上までに改善する場合が多い
- 日常生活や3歳児健診でも見逃してしまうため子どもの物の見方がどれくらいでもおかしい場合は眼科を受診するのがおすすめである
- 屈折検査を自治体で行っているか確認し行っていない場合は4歳までに眼科で屈折検査を受ける
- 弱視の治療方法は治療用眼鏡やアイパッチを使って視力を改善させる
弱視の視力はどれくらいなのか、また視力を回復させるために重要なことについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
子どもの弱視を発見するのはとても難しいですが、早期発見できれば高い確率で、視力を改善させることが可能です。
弱視と診断を受けたり、お子様の物を見るしぐさが少しでも気になったら、ぜひ一度早めに眼科を受診してみてくださいね。
治療には根気が必要ですが、あきらめずに続けることでお子様の未来にもいい結果をもたらすことができるでしょう。
この記事であなたとお子様が、弱視治療の第一歩を踏み出せるきっかけになれますように。
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