排卵障害とは

卵子が成熟しない、もしくは成熟しているのに排卵しない状態のことをいいます。
基礎体温を記録していると、排卵のタイミングを予測することができるのですが、低温期と高温期が二相性に分かれていない人は、卵巣の中で卵胞が成熟せず、卵子が作られにくくなっています。
卵子は、低温期の間に大きくなり、低温期と高温期の間で排卵が起こり、排卵後、高温期に移行します。
月経周期は、通常28日と言われますが、これには個人差があります。
しかし28日型の人も、35日型の人も、高温期は12~14日と、ほとんど差はありません。
35日型の人は低温期が長くなると考え、二相性になっているかを確認してみてください。
もし二相性になっていなければ、排卵がうまく行なわれていない可能性もありますので、早めに受診されることをおすすめします。
低温期と高温期の差は、0.3度以上が理想です。

性腺刺激ホルモン分泌異常とは

脳の中枢神経の異常により、卵巣に指令が届かない状態です。 卵子を成熟させて排卵させるのは卵巣の仕事ですが、これらを指令しているのは脳なのです。
卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの2つを、性腺刺激ホルモンと呼び、脳からの指令を卵巣に伝える仕事をしているのが、この性腺刺激ホルモンです。 性腺刺激ホルモンは、間脳の視床下部から指令が送られて、
脳下垂体から分泌されます。 しかし、これらの中枢神経が正常に働かないと、 性腺刺激ホルモンが分泌されず、排卵が起こりません。 なぜこのようなことが起こるのかと言うと、過度のダイエットで、食べ物を極端に制限したりすると、視床下部の食欲中枢や脳下垂体にまで、支障をきたします。
その他にも、ストレスや甲状腺機能障害や、極度の痩せや肥満も関係します。

・治療法

治療は、卵胞の発育を促すために、排卵誘発剤を使います。 最初は弱いもの(セキソビッドやクロミッド)からスタートして様子を見ますが、効果が出ないようであれば、強力なhMGを注射します。

卵巣機能低下とは

卵巣そのものの機能が衰えて、正常に働いていない状態のことをいいます。 卵巣の機能が衰えてしまい、正常に働いていないので、月経後に卵巣から分泌されるホルモンが分泌されず排卵障害を起こします。
生まれつき卵巣の中にある、卵のもととなる原始卵胞の数が、 加齢とともに減ってしまって起こりますが、中には20~30代の生殖年齢でも、卵巣の機能が衰えてしまう場合があります。
なぜ卵巣の機能が衰えてしまうのか、はっきりとした原因は不明です。 卵巣への自己抗体がある、染色体異常があるなどの理由で、卵巣の機能が衰えることもあり、自己抗体検査や血液染色体検査をすることもあります。
正しい診断をするには、腹腔鏡で卵巣の組織を採取して、原始卵胞の有無を調べます。

・治療法

治療は、クロミッドやhMGなどの排卵誘発剤を使って、排卵を促していきます。 また、カウフマン療法を行なう場合もあります。 カウフマン療法とは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを投与して、下垂体を刺激して、排卵を起こす治療法です。

多嚢胞性卵巣症候群とは

卵胞がある程度の大きさまで成長はするものの、卵巣の皮膜が固くなり、排卵しづらくなる状態です。 卵巣の中で卵胞は、ある程度大きくなっているのにも関わらず、成熟卵胞には満たないため、排卵が起こらない状態が続き、次第に卵巣の皮膜が固くなり、ますます排卵しづらくなる病気です。
原因ははっきりわかっていませんが、男性ホルモンや黄体化ホルモンの分泌が多く、卵巣の代謝が悪くなって起こると言われています。 毛深かったり、肥満タイプの人、初潮のときから生理不順が続いている人は要注意です。


・治療法

治療は、卵胞の発育を促すために、排卵誘発剤を使います。 最初は弱いもの(セキソビッドやクロミッド)からスタートして様子を見ますが、効果が出ないようであれば、強力なhMGを注射します。
hMG注射は、卵巣に直接働きかけるため、たくさんの卵胞が育ちます。 ただし、排卵がうまく起こらない多嚢胞性卵巣症候群の人は、卵巣が過剰反応し、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こすことがあり
注意が必要です。 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは、排卵誘発剤の影響で、卵巣が過剰反応を起こし、腹水や胸水がたまったり、卵巣が腫れたり、お腹が張ったりする症状です。
ひどくなると尿が出なくなったり、息苦しくなったりします。 非常にまれですが、尿が出なくなるため、血液が濃くなり別の病気を引き起こすことがあります。

黄体化未破裂卵胞とは

卵胞細胞の中で、卵子が成熟するものの、排卵せずに黄体化してしまう状態です。 卵胞が破裂しないので、卵子が外に飛び出せないので、成熟した卵子は、卵巣内でそのまま黄体化します。 しかし、排卵が起きているときと同じように、卵胞刺激ホルモンが分泌されるので、基礎体温が上昇します。 そのため、基礎体温は二相性になっているのに、 実際には排卵が起きていないということになります。

・治療法

自然に治ることも多いため、様子を見ますが、未破裂卵胞が長く残っていて新しい卵胞の成長を妨げるようであれば、排卵誘発剤を使ったり、卵胞穿刺やアルコール固定などで治療します。 卵胞穿刺とは、膣から針を入れて卵巣に刺し、卵胞液を吸引し、人工的に卵巣を萎縮させて、次の排卵を促す効果のある処置です。 アルコール固定とは、これも膣から針を入れて卵巣に刺し、古い未破裂卵胞を吸引し、かわりに純エタノールを注入して卵巣の膜を固定し、次の排卵を促す処置です。

高プロラクチン血症とは

乳汁分泌ホルモンのプロラクチンが血液中に増加して、生理や排卵が抑制されてしまいます。 乳汁分泌ホルモンのプロラクチンは、出産後、脳の下垂体から多く分泌され、母乳が出るようになるのですが、このプロラクチンが過剰に分泌されると、生理や排卵を抑制してしまいます。
このため、授乳中の女性は妊娠しにくいと言われています。 しかし、妊娠も出産もしていないのに、プロラクチンが過剰に分泌されることがあり、排卵障害だけでなく、受精卵が子宮内膜に着床しにくくなり、授乳中と同じように妊娠しにくくなります。
高プロラクチン血症の原因は、脳の下垂体に腫瘍があるときや、強いストレスを受けたとき、ピルや胃潰瘍の薬、抗うつ剤や降圧剤などを長期間服用していると起こりやすくなります。
診断は、血液中のプロラクチン値を調べます。 プロラクチン値は一定ではなく、検査のたびに変動するので何度か検査をした上で診断します。 また乳首をしぼると乳汁が出たりします。
潜在性高プロラクチン血症と言って、普段のプロラクチン値は正常なのに、夜間や、ストレスがあるとき、黄体期だけにプロラクチン値が高くなる人がいます。
これはTRH試験というホルモン負荷試験で確認できます。

・治療法

下垂体の腫瘍が大きかったり、腫瘍による症状が出ているときは、脳外科で摘出する必要がありますが、ほとんどはテルロンやパーロデルなどの薬で、高プロラクチン状態を改善します。
また、薬の副作用で高プロラクチン状態になっている場合は、薬の服用をやめれば状態は改善しますので、医師に相談してください。

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