相談窓口に情報や支援方法ガイドブック

思いがけない妊娠・出産をした女性を支援するため、相談窓口を運営する全国各地の団体が結びつきを強めている。連絡会議の発足を呼びかけたメンバーらは相談窓口に関わる人向けに、幅広い情報や支援方法を記したガイドブック「妊娠SOS相談対応ガイドブック」をまとめ、日本財団から発行した。

 思いがけない妊娠を専門に扱う相談窓口は現在、全国に約30カ所あり、自治体が直接開設したり、自治体の委託を受けて助産師会やNPOが運営したりしているという。情報を共有しながら自治体の垣根を越えた支援態勢づくりを進め、窓口をさらに普及させようと今年4月、全国の相談窓口をつなぐ「全国妊娠SOSネットワーク連絡会議(全妊ネット)」が設立された。

 全妊ネットは、親が育てられない子供を受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」のある慈恵病院(熊本市)で、相談業務を担った田尻由貴子さんをはじめ助産師や医師、元児童相談所長の5人が中心になって活動している。

 ガイドブックはこうした取り組みの一環として11月に発行した。A4判で、(1)妊娠SOS相談の体制づくり(2)社会福祉の知識〜「貧困妊婦」への対応〜(3)事例から学ぶ対応の3部構成。生活に困窮して妊婦健診や出産の費用支払いが難しい場合の公的支援をはじめ、若年妊娠、DV被害、性暴力など、さまざまな事例への対応と支援方法を紹介している。

厚生労働省によると、2003年7月〜13年3月に虐待死した17歳以下の子供546人のうち、111人が生後1カ月未満で死亡していた。その9割は母親が加害者で、7割を背景に「望まない妊娠」のあるケースが占めた。厚労省は11年、妊娠期から子育てまでの切れ目ない相談体制の充実を求める通知を全国の自治体に出したが、体制整備はまだまだ十分ではない。

 ガイドブックの執筆にも携わった田尻さんは「相談員の質の向上に生かしてもらいたい」と話す。ガイドブックの問い合わせは、日本財団(tokubetsu_youshi@ps.nippon-foundation.or.jp)。【井川加菜美】

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